「噛み犬」「吠え犬」の正体
吠えに悩んでいる時、意識したいことはたっっくさんあり笑、
都度お散歩会やレッスンでアドバイスさせていただいてますが…
最重要事項は何か?と言われれば、圧倒的にこれ。
「飼い主のマインド」です。
そのためにまず正しく認識しておきたいこと!
自分の犬がどんな状況なのか、
俯瞰して捉えられているでしょうか?
超~~~大事なので、ぜひ確認してみてください!
たとえば…
犬が他者を一度噛んでしまえば、まるで犯罪犬のような扱いです。
人や犬と接触させないように過ごし、交流はなく、腫れ物のように扱われ、性質に問題アリと。
本気吠えの犬たちも同様。
けたたましく吠える様子から、性質の問題だと思われがちです。
いやいやいや!!!
そういう犬ほど、優しい社会を経験しなくてはいかんのです。
人間の子どもが「喧嘩したから」って、学校に行けませんとか、性質に問題ありますね!とか、ないでしょう。
でも、犬はそうなってしまう。
ドッグランはもちろん、トレーニング施設ですら、噛む犬や、手が付けられないほど吠える犬は、集団の場に受け入れてもらえなかったり。
厳しい罰がありそうで怖いから行けなくなってしまう。
だから余計に関わり方が分からなくなり、過敏になり、嫌いになる。
こういう犬を育てる時、注意は必要。
技術もそれなりに必要。
でも何より重要なのは飼い主のマインドと、導く方向性。
あなたの犬は、犯罪犬ではありません。
ただの可愛い犬です。笑
吠えた時、「ヤバい」と思っていませんか?
相手の犬や人に対して申し訳ないと感じるあまり、自分の犬や自分自身のしつけが悪いと思っていませんか?
思って当然だし、まじめな飼い主さんほど、ちゃんと向き合ってらっしゃるから、そう思うんです。
いつも言いますが、この現状は犬のせいでもなく、
絶対にあなたのせいでもありません。
正しい情報と整った環境が不足している。
犬を育てる社会が未熟なだけです。
そもそもの始まりは、「1回喧嘩しちゃっただけ」だったんですよ。
犬は吠えたり噛んだりすることを「学習」しています。
(この話は別のテーマなので、また今度詳しく。)
「学習」すると、増えます。
もっと吠えるし、もっと噛む。
特殊な対応をしなければ、自然に暮らすと増える一方なんですね。
そして「噛み犬」「吠え犬」となっていってしまうけれど、
性質に問題なんかないですよ。
もちろん100%とは言えないけど、
「うちの犬は本当にやばくて…」と聞いてカウンセリングしてみて、
本当にヤバい犬だったこと1回もないです。
相当な数みてきて、
みんな、ふっつーの、犬!(笑)
ただ、不器用な部分とか、繊細な部分があるのは確かなんで、それをお散歩会で整えているんですが、
その時も、「今日も吠えたらどうしよう……」とネガティブな感情で参加するともったいない。
正しく認識しましょう。
あなたの犬は、吠えるなり噛むなりあると思いますが、
「少しの失敗」の連鎖で、集団行動の機会を失い、それゆえさらに過敏に、過剰にリアクションが強くなってしまっただけです。
ヤバい犬なんかじゃありません、
ちょっと不器用だったり繊細だったりするだけ。
そういう子ほど、社会と調和していく必要があります。
散歩に行く時のマインド
ぜひこういうふうに思って、犬と散歩してください。
―――うちの可愛い自慢の犬
胸を張って、下を見すぎず、口角あげてドヤ顔で歩いてください。
犬は言葉が分からないのに、なぜ人間とコミュニケーションが取れると思いますか?
人間の表情や姿勢や声色や動きや空気をぜーんぶ見て、感じて、察しているんです。
だから、「小手先のテクニック」は通じない。
迫ってくる犬や人、緊張した空気、嫌だな…。
こんな時、全力で吠えたら、犬も人もサーっと引いていくのを分かっているんです。
そうして事なきを得てきた。
これが犬目線のすべてです。
そうさせないには。
心から堂々と、犬に対しての愛情を前面に出して、歩いてください。
緊張したり、怖がる素振りを見せると、犬は一緒に緊張していきます。
自分や愛犬が悪いと思うと、それが伝わり、犬は自信を失ってより排他的になります。
犬に穏やかに過ごせるようになってほしいと思うのであれば、飼い主がまず穏やかなマインドをキープすることです。
「難しい…」と思いますよね。
そう、難しい。
言葉が分からない、今日の散歩がどんな展開になるか分からない犬にとっては、もっともっと難しいことです。
だから、まずは人間がリードしてあげてください。
いきなりできなくても大丈夫。
最初ははったりでOK、堂々としてる風。
噛み犬・吠え犬の散歩は、飼い主のメンタルトレーニングと言っても過言ではないです(笑)
意識していれば、必ずできるようになりますから。
吠えたときは、「ふうん」くらいの気持ち。
(実際の対応方法は犬によるのでお散歩会かレッスンで聞いてください。基本は声掛けも目配せもNGで120%の無反応です。)
吠えることが、犬にとって「最強の切り札」となってしまっているので、
「あんたが吠えたって、な~んにもならないわよ」と思うことです。
私なら「すみません、うるさくて。良い子ちゃんですね」と相手の子を褒めたりして、良い雰囲気を保ちつつ、決してへりくだった姿勢は見せず堂々とし続けます。
飼い主が他者と友好的な姿を愛犬に見せる意味もあります。
たとえ愛犬がギャン吠え中でも、決して申し訳なさそうにはしません。
そして、吠える愛犬を気にしすぎるのはよくありませんが、いつだって「愛犬のためになること」を優先します。
- 他者への謝罪の気持ちより、愛犬のためにポジティブにふるまうことを優先。
- 愛犬に友好的な姿を見せ、緊張を回避するため、自分から明るく挨拶。
- 近づいてきそうな人や犬に対しては、先手を打ってはっきりと明るく穏やかに「すみません、ご遠慮ください」と伝える。
こんなふうに、心の中では愛犬を最優先にしつつ、吠えたとてあえて気にしない姿勢をとり、圧倒的オーラを放ってください。
すべての物事に動じず、穏やかで強いオーラを持つ人になってください。
もしかしたら、ママってこの世で一番強いのかも?
と愛犬が思い始める頃、物事は急速に進展します。
お散歩会で起こる、犬のマインドの変化
飼い主がこういうマインドでお散歩会に参加していくうちに、愛犬のマインドも変化していきます。
- どれだけ吠えようが、自分の居場所があることを知る。
- 自分の「怖い」や「嫌だ」を分かってくれる人や犬と出会う。
- 協力することを覚え、他者とつながっているというポジティブな感覚をつかむ。
- 犬や人と一緒に過ごせている自分に自信がついてくる。
- 嫌なことも、完全拒否じゃなく、まあいっかと思えるようになる。
- そうやって強くなって優しくなっていくと、吠えはなくなっていく。
マインド面に絞って話すと、お散歩会というのはこういうことをやっているわけですね。
なによりも軸になるのはこのマインドです。
だから、テクニック云々の前に、ここの確認をしっかりしていてほしいのです。
飼い主が愛犬のマインドを導いている状態であることが、信頼関係を強くするポイントです。
いろんな経験を積んでもどうしても最後、パーソナルスペースに他犬や他人に入られるのが受け入れられないという子の場合、飼い主さんとの信頼関係で乗り越える形になるので、より強くしておきたいのです。
ちなみにお散歩会では、とてつもなく吠えるモードに入らないように環境設計してはいますが、たまにふとスイッチが入ってしまうこともあります。
そんな時は私が対処するので、それこそ、飼い主さんはなんの心配もしなくてよいです。
吠えずに良い経験をつむことが一番ですが、たとえ吠えてしまったとして、それを学びに結びつけるスキルがありますので、安心してください。
(体罰や首輪にショックを入れる手法は使いません。対処の際も最大限マインドとボディランゲージで制御します。)
失敗を恐れるとマインドはネガティブな方へ向かってしまい、経験値もぐっと下がってしまいますから、失敗を失敗のまま終わらせないという意識でいてください。
実際には私がやるので、マインドだけそのように保っていただければOKです。
お散歩会では、必要なことは私からアドバイスさせていただくので、あまり細かいことを気にしすぎず、とにかくドヤァ!という感じで歩くのが一番です。
無理かも、と思ったら
マインドの話は、抽象的な上に、飼い主さんによっては「性格変えてください」と言ってるようなものなので、難しく感じてしまうと思います。
できるひとにとっては、なるほど!とすぐできてしまうんですが…。
何せ、私自身が苦労しました。
私はそもそも人に話しかけるようなタイプではなく、犬を連れていてもそうでした。
交流も求めてないし、ただ愛犬と普通に散歩ができれば良いだけなのに、と思っていたんです。
しかも、びくびくしながら暮らしていると、相談してもいない人から「しつけしないと~~」みたいなダメ出しを食らうもんで、すっかり犬のことについてふさぎ込んでいました。
(当時は本気噛み本気吠えに悩み、だいぶノイローゼ気味ですべて真に受けて落ち込んでいました。)
それゆえ、堂々とするとか、他人と友好的にするとか、近寄ってくる人や犬を止めるというのは、とてつもなくハードルが高かった。
私は、人間関係が本当にうまくなく、それゆえ人生のほとんどを犬と過ごしてきたような人間です。
人に迷惑をかけるのも嫌で、気を遣って疲れてしまうから、できるだけ一人でいたい。
でも、愛犬のためなら、人とも関わらねば…と、重い腰をあげました(笑)
そんな私でも、なんとかそれなりの形にはなるもんで。
散歩前に「私はできる…リラックス…」と唱えて心を整えた日々が懐かしいですw
つまり、不器用でも、向いてなくても、頑張ればそれなりになるということをお伝えしたかったんです。
まさか自分がプロになって教える側に回るとは思ってもみませんでした。
そのくらい不向きな人間でも、なんとかなります。
犬育てのために大層なことになってしまった…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
張り切って、楽しんでやっていきましょう(笑)
ちょっとばかり、育てるのが難しい犬なんです。
本質的な調和でしか、バランスが整わない。
もちろんそこまでじゃない犬というのはいます。
(何回かビシっと叱れば止まるとか。おすすめはしない手法ですが。)
でも、DOGDOMに来てくださってる子たち、みんなスゴイ子だから(笑)
他のトレーニング施設で断られた子とか、
通っても直らなかった子が多いんです。
そういう子たちは、本質的にやってくしかないですよ。
飼い主も整った心で、友好的にするしかないんです。
でも、それをやっていく日々は、最高です。
自分も心が強くなるし、それに伴って愛犬がどんどん自信をつけて、どこでも健康的な心でいられるようになる。
難しい犬の飼い主だけに与えられた楽しみです。
私の場合、一人の世界を愛していて、そこに愛犬さえいれば良いと思って生きてきましたが、
愛犬をヘルシーな心に導くために、他者と友好的にしたり頼ったりできるようになり、
以前よりずっと心地よく生きられるようになりました。
愛犬のためでなければ、自分が変わるきっかけはなかったと思います。
そういう意味でも、やっぱり犬育ては難しい方が、豊かな暮らしになる!と断言できます。
大変なことをクリアして、愛犬と見る穏やかな世界は格別です。
努力して手に入れた幸せは、初めから与えられた幸せより、深く心に響きます。
その景色が見られる日まで、私はずっとサポートしますから、一緒にがんばっていきましょう!
